研究室見学の日
今日は朝からいろいろと人やら物やらの出入りが激しい一日です。
今朝はいつもより遅めに出勤したのですが、研究室に着くと研究室の前にも廊下にもたくさん人がいてびっくりしました。今日は1回生が「基礎演習」の授業の一環で、研究室見学にきていました。
研究室の隣にあるいつも昼食を食べている部屋・・・そうです。あの部屋はちゃんと講義や発表練習もできる部屋なのです。というわけで、伊藤先生が1回生に研究内容を講義していました。ちょうど私の先行研究の内容だったので、私も聞かせてもらいました。卒論を読んだりパワーポイントを見たりして、何となく先行研究の内容がわかってきて、人生初のアブストを書いてみた(そのせいでブログは書き忘れましたが。すみません。)今日この頃。伊藤先生の講義を聞いて「そうそう!言ってることがわかるー!!」と密かに自分に感動していたのです。半年前の私には想像すらできなかったことなので、まだまだ入り口だと言えども、うれしかったです。小島先生は研究室で飼っている線虫(C.elegans)の紹介をされていました。研究室にきてくれた学生の皆さん、線虫は美しかったでしょうか?
研究室で働かせてもらうことになって、広報の他にも実験にも携わるようになって、チャレンジすることが増えれば増えるほど失敗もあるし、悔しいこともあります。これからもいろいろなことがあると思いますが、そんな時もどんな状況も最終的には楽しめる、そんな強さを持てればと思います。先生たちや学生たちには「頼むから、これ以上強くならないで」と言われそうですが・・・。ここで先生や学生たちと共に私も少しずつ成長していかないとなと思う、そんな1日でした。
人の出入りはこのような感じでした。そして物ですが・・・「次世代シーケンサー」
についてはまた後日。決して私の知識が足りなくて説明できないわけではありません。と言いたいところですが・・・とにかく後日。すごい機械なんです。
研究室でのとある日の私の日常
先週はアブスト(要旨)を書いてみるという課題に熱中していたらブログを書くのを忘れていた私です。先生にも学生にもFacebookもブログも食べ物の話率が高い・・・と言われたので今日はまじめに実験の話を書いてみようかと思います。(ちなみに私の生きがいは美味しい物を食べることと美味しいお酒を飲むことです)
今日は朝から「LC-MSプロテオミクス用試料の調製」の脱塩をしています。
「LC-MSプロテオミクス用試料の調製」は3日から4日ぐらいかかる実験です。
1日目 タンパク質の抽出・精製・定量・還元・アルキル化・トリプシン化
-80℃の冷蔵庫から取り出した仮死状態の線虫(Caenohabditis elegans)を氷の上でゆっくり溶かします。砕いたり、薬品を入れたりしながらタンパク質を取り出してどれくらい入っているかを機械で測ったり、計算したりします。その後また薬品を加えて1時間ほど60℃のお風呂に入り、またまた薬品を加えたら一晩37度のお風呂につかります。
2日目 陽イオン交換カラムによる精製
部品を組み立てて、精製をします。そうです!私はここであの大失敗を起こしたのです。(誰も知らないと思いますが・・・)。大切なサンプルを廃液入れに捨ててしまいました。あれから数回、練習をして少しはスムーズにできるようになりました。
3日目 脱塩
読んで字のごとく塩を取るんですが・・・今日は詰め具合とかいい感じだったのに失敗しました。何でだろう。塩が残ると測定する機械に入れられないんです。研究室の学生たちと色々と考えて、またがんばります。この失敗と言うのが、思ったよりショックを受けるわけですが・・・しかし、実験ノートを見直して頑張るしかありません。
そのほかFacebookやInstaやブログを書いたり(実は広報活動は私の本職です!)慣れない勉強をしてみたり、研究室での毎日はとても楽しいです。でも・・・やはり昼ごはんはとてもとても楽しいです。そろそろ夜ごはんのことを考えます。
研究室と食事
情報生物学研究室には食事をするために必要なものが一通りそろっています。
冷蔵庫、電子レンジ、ポット、この辺まではなんとなくわかるのですが・・・
鉄板やたこ焼き器、ポップコーンマシーン、流しそうめん・・・などもそろっています。
お好み焼きとポップコーンは食べたので、次は流しソーメンがしたいです。そうです!結構楽しんでしまっています。
メロンを食べたり、きゃべつを食べたり、辛いラーメンをまとめ買いしたり。
私はランチストリートで揚げ物ばかり買っていますが・・・
時には伊藤先生からの差し入れもあります。
研究をすることは確かに楽しいことばかりではないかもしれません。1人では解決できなかったり、失敗したりいろいろなことがあります。しかし、それは社会に出て働き出せば当たり前のように私たちの周りで起こりうることです。同じ釜のご飯では、ありませんが誰かと食事をしながら研究こと、日常のことを話す時間を楽しめる自分を作っておくことはとても大切なことだと思いますし、どのような仕事をするにしても必要な能力の一つではないかと思います。
今日の研究室
伊藤研のコアタイムは10時から。なのに今日はやけに早く研究室にきた学生が1人。
どうしたのかたずねると電車に乗ってから、1限目が休講だったことに気付いたと・・・まあそんなこともあるよなと言いながら1日がはじまりました。
研究して授業にでて就職活動して、学生はえらいなあと思いながら日々過ごしています。私も仕事しながら家事もしているからえらい(当たり前だと言われそうですが)
ことにしておきます。
午前中、ドライ班は皆で勉強会。1人で考えていては煮詰まってしまうことも、誰かに見てもらったり、話したりすることで解決していくことがたくさんあるのだなと思います。研究室にいて思うことは、勉強も研究も1人でしなければいけない部分ももちろんたくさんあるけれど、皆で考えることで教える側も教えられる側も何かしらのメリットはあるのだなと思います。
それは日常生活でも言えることではないでしょうか?自分の考えだけにとらわれるのではなく、いろいろな考えを持った人と話し、考えることでいろいろな決断を、よりよい方向に向かわせてくれることがあると思います。研究室という小さな組織の中で、彼らは研究はもちろん、人と向き合うために必要な能力を、知らず知らずのうちに楽しみながらも身に付けていっているように思います。
頭の中ではわかっているつもりのことも、誰かにわかりやすく説明しようとするととてもむずかしいものです。一生懸命頑張りながらも、どこか楽しそうな彼らを見ているとうまく行くといいなと本当に応援したくなります。そして、私も前に進まなければと思います。
普段は研究室で昼食を食べるのがほとんどなのですが、今日は違うところで昼食を食べていました。帰ってくると、人がいない。たまーにこういう時があります。
朝の賑やかさと打って変わってすごく静かなのでギャップに驚いてしまいます。
授業に出たり、就職活動に行っていたりのタイミングが全て合うとこういうことになります。
そして今はこんな感じです。
私も広報活動は勿論、実験も頑張らないといけないので、頑張って素人(私自身)にもわかりやすいプロトコル作りに励むことにします。
4月・5月お誕生日会
今週は研究室の4月・5月の人のお誕生日会がありました。
私(自称永遠の25歳)も5月生まれなので皆さんに祝っていただきました。
普段はケーキを食べることはほとんどないけれど、日々一緒に過ごしている人たちに祝っていただいたことはとてもうれしく、とてもおいしくいただけました。
やや切れにくい包丁で一生懸命ケーキを切ってくれたり、紙コップに名前を書いてくれたり、何事も積極的にこなしているかれらを見ているとこちらが元気をもらいます。
なぜか・・・誕生日会をする部屋ではないところで、ろうそくの火をつけてしまい、そーっと運んでいる姿はおもしろかったですが・・・
こうしたアットホームな雰囲気の中で、時には大変なこともある研究をみんなで頑張ることができればいいなと思います。いつも伊藤先生がおっしゃられているように、大変なことも楽しむことができる、そんな毎日を送ることができればと思います。
そして、学生たちに誕生日プレゼントをいただきました。息子にもらった誕生日の手紙と同じぐらいうれしかったです。小島先生にはボールペン、私にはビールです。プレゼントに学生たちが持っているイメージが現れていておもしろいです。そして、このブログを書いている現在、ビールは全部飲んでしまいました。記念に残しておこうとも思ったのですが、飲みたい誘惑に負けました。
失敗するということ
先日、私、実験を失敗(ただのボンミスです)しまして・・・
この年になると、落ち込むことがあってもたいがいのことは一晩寝ればケロッとしているものなのですが、久しぶりに寝て起きても落ち込んでいました。
そんな時、伊藤先生に声をかけていただき、いろいろなお話をさせていただきました。伊藤先生のこれまでの研究生活についてや、考え、失敗した時にはどうするべきかなど、次につながるたくさんのお話をしてくださいました。
どんなに偉い人も、悩み、考えるからこそ今があるのであって、何かミスをした時に、ただ落ち込むだけでなく次に繋がることを考えなければならないのだと思いました。
実験器具一つにしても、昔は既製品を買うことができなかったので、自分で工夫をして、作っていたそうです。そして、研究とは関係ありませんが・・・車も自分で直すそうです。先日他の研究室の先生方との交流会があったのですが、その先生も自分で直すとおっしゃられていて、しかも二人とも楽しいと!たまーに(ほんとにたまに)車をぶつける私としてはうらやましい限りです。しかも楽しいとは。研究をするにあたり大切なことの一つが自分の頭で考え行動できることなのだと思い、また先生方は研究以外のことでもそれを実行されているのだと思い、私もボーっとしてないで考えながら行動しなければと思いました。
伊藤先生だけでなく、小島先生にも失敗しながら進めばいいといっていただいて本当に救われました。
研究室の学生たちも今後のことについて相談に乗ってくれたり、実験をやり直すにあたり、「どこかわからないところはありませんか?」と聞いてくれたり、間違えないように見ながら指導してくれたり、なぜ今この行程を行わなければいけないかを丁寧に説明してくれたり、できるだけ早く自分のことは自分でできるようにならないとと思いました。
このような環境の中で仕事をさせていただけていることに本当に感謝します。
社会にでて仕事をするにあったて思うことは、1人でできることはしれています。やはり周りとのコミュニケーションが大切になってきます。今回に関してはコミュニケーションというより、一方的に研究室の皆さんに支えていただきましたが。私もこの研究室で自分のできること、やるべきことを改めてしっかりと考えなければいけないなと思っています。
学生たちにとって研究室での時間はこれまでの大学生活とは異なる学生と社会の間のようなところになると思います。ここで学ぶ1年から3年は彼らが社会にでていくにあたってとても貴重な時間だと思います。
高校生の研究室見学
先日高校生が研究室見学にきました。
・伊藤先生の講義
・線虫を実際に見てみる
という2つの内容で行われました。せっかく研究室で伊藤先生が講義をするのだし、私も聞いてみたいなと思っていると、先生のほうから聞いてみるか?と声を掛けてくださったので、私も聞かせていただくことにしました。テーマは「ヒトゲノムから若者へのメッセージ」です。もちろん、私は若者ではありませんが・・・
私たちの体の中には生命活動を維持するためにとても精密な「設計図」が存在します。現在はこの設計図の解読が終了し、人の遺伝子の数は約3万個であると言われています。設計図の解読は終了しましたが、その設計図を生命活動の維持のためにどのように使用されているのかという部分に関しては、まだまだわからないことがたくさんあます。
例えば家を建てるとき、おおもとの設計図からお客様のニーズに合わせて壁紙をかえてみたり、トイレの位置を変えてみたり。するとそれはもとは同じプランからできたものですが、できあがりは違うものになります。
このように人の体の中でも1つの設計図から複数の生命活動の維持に必要なものが作られるため設計図が解明できたからといって、すべての謎が解けるということではないのです。
人の体の仕組みはまだまだわからないことがたくさんあります。わからないことがたくさんあるということは、発見できることもたくさんあるということです。自分自身の体の仕組みを知ることはとても楽しいことです。
また体の仕組みを知ると言うことは、うまく機能していない部分がなぜ機能していないかということを知ることでもあります。その謎を解くことによって、多くの病気の解明にも繋がります。原因が解かれば対策を立てることもできます。
情報生物学研究室では線虫という虫を使って実験を行っています。線虫はその形態や複雑度が全く異なるにもかかわらず遺伝子が人に似ていると言われています。
また人の体の仕組みを知るということは膨大な量のデータの解析が必要となります。そこで必要不可欠になってくるものが計算機(パソコン)になってきます。
情報生物学研究室では実験と計算機を使った解析の両面から研究を行っています。1人でも多くの人がこの分野に関心を持ち、疑問を解くことに楽しみを持ってくれれば幸いだと思います。