年の瀬を感じるもの


早いものでもう12月になりました。研究室では生命科学系学会合同年次大会に向けての発表のため、慌ただしく動いております。そんなところで今まで担当していた院生1回生に変わってこれからしばらく私J(仮名)がブログの更新をさせていただきます。

さて、12月となり生命科学系学会合同年次大会が間近に迫っているわけなんですが、そもそも生命科学系学会合同年次大会てなにか馴染みのない人も読んでいただいていると思いますので説明しておきたいと思います。
生命科学系学会合同年次大会は1924年(大正14年)からの歴史を持つ日本生化学会の年会と1978年(昭和53年)からの歴史を持つ日本分子生物学会の年会を中心とした。生命科学系の学会の合同の年次大会です。日本生化学会と日本分子生物学会は分子及び遺伝子の構造と機能という学問領域を共有していることから学会員の重なりが多く、これまで2つの学会で合同の年会を何度も行って来ています。私達の研究室は日本分子生物学会員となって研究、発表する人が多く、これまでもこのような年会にはたくさんの人が参加してきました。そして、今年は生命科学の各専門領域のさらなる深化・発展のために学会の枠を超えた新しい場として日本生化学会と日本分子生物学会だけではなく、枠組みを広げた生命科学分野の合同大会が開催されます。今年も例年どおり、研究室から多くの人が参加予定です。例年の2つの学会による合同大会よりも大きな年会となるので、そこにかける意気込みはいつも以上となっています。

私達の研究は近年注目されている、エピジェネティクスに関するものが中心で、学会でも多くの研究者が興味を持っている分野です。このエピジェネティクスはDNA塩基配列の変化を伴わない後天的に決定される遺伝の仕組みです。全く同じ遺伝子を持つはずの一卵性の双子で見た目などが異なってくるなどの例が挙げられます。これがガンに関わっていたり発生・分化に関わっているため、注目されています。

そんなわけで気合を入れて学会の準備を行っているわけですが、やはりこの分子生物学会の年会の時期が来ると年の終わりを感じます。毎年12月に行われるからなんですけど忙しくなってくると年末という感じがするものです。12月のことを師が走り回る忙しさから師走とか言いますからね。と思い調べてみると

【師走の語源・由来】 師走は当て字で、語源は以下の通り諸説あり、正確な語源は未詳である。
師走(しわす) - 語源由来辞典

というわけであんまし関係なく、12月にみんな忙しいとは限らないということでした。ちなみにDecemberは10番目の月とかいう意味らしいのですが、この記事とはあんまり関係ありません。別に英語にする必要はありません。しかし、学会ではそうはいきません。今年は、ポスター発表を出すのですが、このポスターは英語で書きます。発表言語は日本語なんですが、やはり最先端の研究だけあって海外の人が見に来ることもあります。私も英語はとても苦手でなかなかできません。研究とは関係ないのですが、先日英語で道を訪ねられすごく自分の英語力のなさを痛感しました。道はそんなに複雑ではなく、あと次の信号を右折してそのまま真っすぐ行くだけだったのですが、あーだこーだ説明をした挙句、「そんなに遠いの?」的なことを言われて「違う違う、あのへん」て指差そうとしたら私がもたれかかっていたのが駅周辺の地図で別にこれみてればよかったとかなんかとても話が脱線してますがとにかく英語が大切なんです。

そんなこんなで発表にむけてディスカッションを行っていきます。以前のブログやfacebookでもよく掲載していますが、先輩や先生と意見を交換して発表を作り上げていきます。特に今回はポスターが英語なので留学生にも添削を手伝ってもらったりもしています。今研究室には二人の留学生が来ており、英語に関しては非常に心強い状況で留学生ともディスカッションすることで自分たちの大きなスキルアップとなっています。また、今後のブログでも紹介すると思いますが、年末には理化学研究所大阪電気通信大学との合同発表も控えています。このように様々な場で発表をしたり、聞いたりさせてもらえることでレベルの高いものに触れ、大幅なスキルアップができる研究室なのです。宣伝なのです。

今年も終わりということで、もうすぐ卒業する人もいます。しかし、新たなメンバーも配属されてきています。今年は8人の学部生が配属され、来年からこの研究室で研究を行います。私自身も3年前に配属され、それからここで研究しているわけですが、はじめの頃の右も左もわからず研究ってなに?という状況はとても懐かしく感じます。まえの記事のインタビューにも載っていたか載っていないかわかりませんが、私はこの研究室に入ることを以前から考えていました。そして配属され、先輩たちの発表を見た時その完成度の高さ、レベルの高さに驚いたのを覚えています。そしてそれを越えようと一生懸命に取り組んできた。という就活用の文章も載せておきます。超えられたかはさておき、身についたものはとても大きく感じます。いわゆるエピジェネティクスですね。これから研究をやっていく後輩たちもよいエピジェネティックな調節を手に入れるように頑張ってもらいたいところです。

来週には学会を通じてエピってきます。またその記事も来週か再来週に公開される予定ですので、そちらもお楽しみに。