第39回日本分子生物学会年会(後編)

 さて、口頭発表も終わり、15時半からポスター発表がはじまりました。ポスター発表

は15時半から18時までで、この間に興味を持って見に来た方と自由討論をしたり、座長にポスターの内容の説明を行い、質問に答えたりします。

 座長はただ聞いているだけではありません。優秀ポスター賞の先行も兼ねているのです。ポスター発表は1日約1000枚。その中から100枚弱のポスター賞が発表されます。

 広い会場を歩きながら興味のあるポスターを見たり、話を聞いたり、あまりにも会場が広いので一休みしながら。

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 この日は虫の会(線虫を使用した研究を行っている方々の集まり)の交流会が行われるため、交流会の会場まで伊藤先生と学生さんたちと一緒に行くことになりました。

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 イルミネーションはすっかりクリスマスです。交流会では私が産まれるよりも以前から線虫を使用しての研究をされている先生がお隣の席で、色々な話を聞かせていただくことができました。線虫のことや研究のことは勿論、大学院生や博士課程の方々に混じって、働くことの意味や、人生を充実したものにしていく方法など、とてもためになるお話をたくさん聞くことができました。2次会にも是非参加したかったのですが・・・いよいよ私自身の発表が明日なので(1次会はしっかり飲ませていただきました。伊藤先生や以前研究室におられた先生には初めての発表の前日に余裕やなと少々呆れ気味に言われましたが。)ホテルに戻り部屋でぶつぶつと発表練習です。とりあえず、寝不足が一番の敵なので、(年齢的なこともあり、あらゆる意味で)しっかりと寝ます。

 12月2日

 さすがにこの日は緊張で朝食は食べることができないかも、と思っていましたが、自分が思っていたよりもずっと強かったらしく、美味しく朝食をいただくことができました。

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 学会会場も3日目。慣れた足取りで会場に到着です。ポスター発表は午後からなので、ポスターを自分の場所に貼りに行った午前中にはまだ気持ちの余裕がありました。

 この日はランチョンセミナーがなかったので、学生さんたちと会場内のお店で昼食です。会場内のピペットをどれくらい正確に操れるかを競争する企業ブースがあったので、学生さん達と挑戦しました。さすがにWet班の学生さんは正確な数字をたたき出します。私は?聞かないでください。

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 そうこうしているうちに13時!13時と言えば優秀ポスター賞の発表の時間です。そうです!2日目に発表した彼が受賞したのです!!

O-GlcNAc修飾タンパク質の進化的分類」

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 学会のポスター発表と言えば・・・勿論その道のプロの方々(国立の研究所や大学の先生方など)がたくさん発表されています。その中で今回情報生物学研究室では2人の学生が、なんと、ポスター賞に選出されたのです!!2人?そうです。3日目に発表した彼も受賞しました。

「系統プロファイルを用いたヒト糖加水分解酵素の進化解析」

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 先生方と学生さんたちの頑張りがこのような大きな結果に繋がる、その場面に立ち会えたことに本当に感動しましたし、伊藤研で働かせていただいて本当に光栄に思いました。

 15時30分、ポスター発表が始まりました。伊藤先生・・・隣にいると言ったのに、来たのは16時35分。学生曰く、「この世の末」みたいな顔をしていたとのことでした。

とりあえずは話しましたが・・・

16時35分、「いろいろ知り合いに捕まって。はははー」と言いながらのんびり歩いてきた伊藤先生!とりあえずほっとしました。それからの数時間、伊藤先生にフォローしていただきながら、無事に乗り切ることができました。たくさんのご意見や励ましをいただき、やりきることができて本当によかったです。

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 こうして夢か現かわからないような体験をした3日間でした。分子生物学会は来年は神戸、そして再来年はまた横浜です。その時までには今より少しでも前に進めて、横浜に行きたいと思います(また行く気かい!!)と突っ込まれそうですが。今回横浜中華街に行けなかったので。

 この半年、理系とは無縁の人生を歩んできた私がここまで来れたのは伊藤先生をはじめ、小島先生、研究室の学生さんたちのおかげです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 現在週に1回来年配属予定の3回生達が仮配属と言う形で研究室に来ています。彼ら彼女達も、その後の代でも、若い人達が自主的に色々なことを考え、行動し、人前で堂々と発表できる人を育てていくことができる場所、そのような場所があるということを少しでも多くの方に知っていただき、生命科学に興味を持って頂ければ幸いに思います。そして私自身も彼らとともに少しでも成長していければと思います。