高校生の研究室見学

 先日高校生が研究室見学にきました。

  ・伊藤先生の講義

  ・線虫を実際に見てみる

という2つの内容で行われました。せっかく研究室で伊藤先生が講義をするのだし、私も聞いてみたいなと思っていると、先生のほうから聞いてみるか?と声を掛けてくださったので、私も聞かせていただくことにしました。テーマは「ヒトゲノムから若者へのメッセージ」です。もちろん、私は若者ではありませんが・・・

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 私たちの体の中には生命活動を維持するためにとても精密な「設計図」が存在します。現在はこの設計図の解読が終了し、人の遺伝子の数は約3万個であると言われています。設計図の解読は終了しましたが、その設計図を生命活動の維持のためにどのように使用されているのかという部分に関しては、まだまだわからないことがたくさんあます。

 例えば家を建てるとき、おおもとの設計図からお客様のニーズに合わせて壁紙をかえてみたり、トイレの位置を変えてみたり。するとそれはもとは同じプランからできたものですが、できあがりは違うものになります。

 このように人の体の中でも1つの設計図から複数の生命活動の維持に必要なものが作られるため設計図が解明できたからといって、すべての謎が解けるということではないのです。

 人の体の仕組みはまだまだわからないことがたくさんあります。わからないことがたくさんあるということは、発見できることもたくさんあるということです。自分自身の体の仕組みを知ることはとても楽しいことです。

 また体の仕組みを知ると言うことは、うまく機能していない部分がなぜ機能していないかということを知ることでもあります。その謎を解くことによって、多くの病気の解明にも繋がります。原因が解かれば対策を立てることもできます。

 情報生物学研究室では線虫という虫を使って実験を行っています。線虫はその形態や複雑度が全く異なるにもかかわらず遺伝子が人に似ていると言われています。

 

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 また人の体の仕組みを知るということは膨大な量のデータの解析が必要となります。そこで必要不可欠になってくるものが計算機(パソコン)になってきます。

 情報生物学研究室では実験と計算機を使った解析の両面から研究を行っています。1人でも多くの人がこの分野に関心を持ち、疑問を解くことに楽しみを持ってくれれば幸いだと思います。